アームがなくても悩み無用 FOMOfx Virtual Jeff PRO

経緯

普段使用しているトラベルギターにはアームがない。でもアーミングがしたい。最近興味のある多弦ギターにもアーム付きのモデルはほとんどない。どうしたらいいか。

結果

Virtual Jeff PRO でだいたい解決した。


購入の流れと使用感を以下にメモしておく。

https://www.fomofx.com/

まずデジタルアームというものを発見した。
アームユニットとペダル型本体の2ユニットからなるデバイスで、ギターのボディにアームユニットを取り付けて操作することでアーミング操作具合を本体ペダルに送信し、操作信号を本体ペダルが受け取ったら音声信号を加工して出力するという仕組みのようだ。
ピッチシフターやワーミーペダルの変化量操作を手元に移したようなかんじ。(本機種の前身VirtualJeffはそもそもワーミーペダルと組み合わせて駆動させるシステムだったようだ。)
アームユニットとペダル本体の通信は有線でも無線でもできるようだ。

公式の紹介Youtube動画はこちら

日本発送非対応

なかなかの高いお値段にも覚悟を決めいざ購入しようと思った時のこと。
このVirtual Jeff PRO、日本発送非対応である。公式オンラインショップはEU、UK、アメリカ、カナダ、オーストラリアの5か所があるものの日本には発送されないようだ。
日本国内楽器店ではまず取り扱ってないだろうし、ネットを見ても中古が出回る気配すらない。

さてどうしたものか。個人輸入するしかない。
では欧豪米加英どこから買うのが良いのか。絶賛円安の中それぞれの為替レートと商品価格設定を見るとアメリカサイトから購入するのが安いようだった。

というわけでUSの公式ショップから購入することにする。

輸入代行 OPAS

https://opas.com/ja/
日本発送非対応のショップから購入する場合は、まずお届け先を現地の住所にして一旦現地住所に届けてもらい、そこから届いたものを日本に送ってもらうという2段階の配送ステップが必要だ。そんなわけで現地住所を貸してくれて日本への配送手配を代行してくれるのが輸入代行業者。どこがいいのかさっぱりわからないのでとりあえず有名で実績のありそうなOPASという業者を利用してみる。登録するとオレゴン州の住所がもらえた。

注文

OPASに会員登録(無料)して現地住所を入手したらVirtual Jeff PROのショップで注文をする。
本体価格499USDに米国内送料など乗せてPaypal経由で513.95USD支払った。
注文して1週間ほどでオレゴン州の現地住所に荷物が届いた。

荷物が届くとOPASのマイページに届いた荷物がアイテム登録されるので、サイト上から配送の依頼を行う。OPASでは配送依頼をする前に各配送会社の見積もりを取ることができるので配送料の見積をしてみる。見積りには5日ほどかかった。
配送業者はヤマト運輸やUPSなどが選べるようなので、日系企業のヤマト運輸を使えばトラブル時も安心だろうと思っていたが、見積結果によるとヤマト運輸は荷物の原産国検査が厳しいらしく今回の荷物には原産国表記がないためヤマト運輸は使用できないといわれた。
そんなわけで配送業者はUPSでお願いすることにした。いくつか料金設定があるが一番安いUPS Expeditedというサービスにした。OPASへの送料諸々は66.7USD支払った。こちらもPaypal決済。

到着

OPASに配送依頼をしてからなんと4日(土日含む)で荷物が届いた。米国内の配送より早い。
商品内容はこんなかんじ。

左側上から
アーム用ケース、アーム取付台座とシール、無線送信ユニット、短めケーブル

中央にマニュアル

右側上から
各国コンセント対応プラグ、ACアダプタ、ペダル本体、長めのケーブル

アームユニットをギター本体に取り付けるための台座プレートなどがついていて、台座をまずギターのブリッジ後方に両面テープで固定してから、その台座にアームユニットを差し込んで使うのが基本スタイルらしい。

とはいえ手持ちトラベルギター、ヘッドレスギターにはブリッジの後方には何もない。
どうやって使おうかなと思ったが、ブリッジにそのままアームユニットを貼り付ければいいことに気づいた。
厚めの両面テープ(貼ってはがせるタイプ)を自前で用意してアームユニットをギター本体にくっつけてみたらなんとか貼り付けれた。

Virtual Jeff PROの使い方など

ペダル本体で以下の操作ができる
[ACTIVEスイッチ]アーム機能のON/OFF。OFFにするといくらアームを動かしても反応しない。電源を入れたときは毎回OFFになってるので忘れずにONにする。
[A/Bスイッチ]アームでの音程変化の範囲設定をAB2つのバンクに保存して切り替えれる。音程の変化範囲(めいっぱいアームを上げ下げした時の音程)はダウンとアップそれぞれ設定可能でダウン範囲は-24,-12,-7,-6,-5,-4,-3,-2,-1、アップ範囲は+1,+2,+3,+4,+5,+7,+8,+12から選べる。
[V-CAPOスイッチ]ピッチシフト機能(キーボードでいうTRANSPOSE機能)。ONにするとあらかじめ設定した値で出音の音程が変化する。半音下げなどにすぐに変更できるので便利かも。V-CAPO ONでもアームは使える。キー変化は-24,-12,-7,-6,-5,-4,-3,-2,-1,+1,+2,+3,+4,+5,+7,+8,+12から選べる。
[音程の上下ボタン]上記のアーム機能の音程変化範囲、V-CAPOモードのキー設定で使用。

本体ペダルにさらにペダルをつなげることで以下の機能が使用可能のようだが、つなげれるペダルを持っていないので未確認。
[BLEND]
[HOLD]

アームの使用感

フロイドローズなどの実機アームはちょっと触っただけでも音程が変化するが、Virtual Jeff PROは音程変化が始まるまで少し遊びがある。そのためクリケット奏法を完全に再現するのは難しい。実機と操作感が異なるのでアーミング加減のコントロールには慣れが必要。アームの遊び部分の調整や効き具合の調整などはできない。アーム部の操作自体は軽い。
また、当たり前なのだが実機アームはアーミング操作が弦振動に影響して音が出続けたりするが、こちらはデジタルアームのため実際の弦振動自体は変化しない。アームダウンやダイブボムを連発しても音が出続けるわけではないのでその辺すこし感覚が異なる。

こちらのYoutube動画が実機アームとデジタルアームの違いが分かりやすいので紹介しておく。

アーム信号用ケーブル&電源について

短いのと長いので2本付いてきているケーブル。特殊な規格で無くしたり断線したら困るなぁと思っていたが、よくみるとイヤホン等と同じ普通の3.5mmステレオミニケーブルだった。これなら何かあってもステレオミニケーブルを買えばいいだけなので安心した。
電源も一般的なものだったので変換ケーブルをつけてUSBポータブルバッテリーから電源をとることができた。

自分を納得させる言い訳

安くない買い物だが、どのギターにも取り付けれてアーミングができるようになるのでギターを選ぶ際にアームがあるとかないとか心配する必要がなくなった。
むしろフィクスドブリッジ+Virtual Jeff PROで運用することで実機アーム使用でのチューニングの狂いや延々と終わらないチューニング地獄から解放されるメリットがある。
おまけにV-CAPO機能がついてるおかげで曲ごとの半音上げ下げ一音上げ下げなどにも瞬時に対応できるようになった。なんなら曲中に変更できる。