ヘッドレス10弦ギター Agile Chiral Parallax 102528

経緯

以前8弦ギターを入手してみて8弦ギターでは大体4弦ベースの音程がカバーできることがわかった。つまり8弦ギターがあればベース音も出せる。これはとても楽しいし良い発見だった。
ではどうせなら5弦ベースの音程まで出せたらもっと楽しいのではないか。これは8弦に+1本して9弦ギターがあれば問題なくいけるはずだ。音域が広ければ広いほど自由度が上がるだろうからついでに高音域も更に出せるとなお一層楽しいだろう。
そんなわけで9弦にもう1本たして10弦ギターに挑戦。

結果

10弦ギターでローローB~ハイAチューニングにすることで音域拡張に成功。予想通り楽しい楽器だった。
しかし弦が増えた分余分な音が出やすいので演奏はミュートなど工夫の必要あり。


以下、10弦ギターの購入録をメモしておく。

買うならヘッドレス

多弦ギターは弦数が増える分ネック幅が太くなり重量が重くなりがちだ。なのでなるべく軽い方がいい。また、弦の有効活用という面でもヘッドレスがよい。ヘッド有りのギターはペグに弦をぐるぐる巻く機構ため、例えば弦ゲージをいくつか試したい時などに1度張った弦を外すともう再度張り直すことができなくなる。何本も弦を無駄にしてしまうので経済的損失も大きい。それに比べてヘッドレスの場合は弦を押さえて引っ張るだけの機構のものが多いので一度弦を外してもまた張り直せる。6弦に張っていたものを5弦に張るということも可能だ。そんなわけでヘッドレス一択でこちらのギターに決定した。

注文

Rondo Musicのサイトから注文する。Paypal決済で世界中どこでも配送してくれる。
商品ページがちょっとわかりにくいが上部のメニューから「GUITARS>Electric Guitars>10String Guitars」でたどり着ける。
米国外への配送はハードケース必須なのでハードケースも同時に注文する。念のため弦も1セット買っといた。

到着

注文してから1週間ほどで到着した。最近の国際便ってこんなに早いんだ。
デフォルトのチューニングは10弦低音側からG#,C#,F#,B,E,A,D,G,B,Eで低音側に4本追加した状態。初期弦ゲージは110,090,074,054,040,030,022,015,012,009。

使用感

ネック厚はめちゃくちゃ薄いというわけではなく、それなりに厚みはある。もう少し薄い方が嬉しいが弾けなくはないので許容範囲といったところ。
重量は3.5kg程度、10弦にしては軽い方だと思うが一般的なギターと同じくらいの重さになってしまった。

チューニングを変えてみる

本機はマルチスケールの25.5インチ(648mm)-28インチ(711mm)だが、普段トラベルギターを使用している身としてはもっと短いスケールで弾きたい。
カポを使用して弦長スケールを短くすることにする。購入の際にはカポ使用を前提にどこにカぽをはめても混乱しないように指板にインレイマークのないものを選んだ。
とりあえず2フレットにカポを装着して570mm-650mmスケールにした。本当はもっと縮めて長辺550mmくらいにしたいがそうすると5フレットにカポを装着することになり、かなりのフレット数をスポイルしてしまい高音域拡張が実現できなくなるので妥協。

2Fカポでチューニングを低音からBEBEADGBEAに変更。有効フレット数は22、最低音は5弦ベースの5弦開放ローBから最高音はギター1弦24Fの少し上ハイGまで出せるようになった。

10弦の良いところ

単純に出せる音域が広くなってうれしい。ファイナルファンタジーのプレリュードの指運が楽々になった(使う音域自体は8弦ギターがあれば演奏可能)。とはいえ88鍵ピアノには全く勝てない。ピアノは偉大である。
今のところ10弦を低音から高音までフルに使う曲がまったく思いつかないがバンド曲ならどんな曲でもギターとベースパートが演奏可能になったので目的は達成。

10弦の良くないところ

多弦あるあるだが、弦が増えたおかげで演奏してると増えた分の弦も勝手に共振してノイズになるのでしっかりミュートする必要がある。そして今回高音弦を追加したおかげでコード弾きの難易度も上がってしまった。一瞬どの弦を押さえたらよかったのかわからなくなる。が、これは慣れの問題だろう。

余分な弦のノイズ対策

低音弦のノイズ対策として左手の余った指と右手の親指掌部分で低音弦をおさえ、なおかつ高音弦のノイズ対策として右手薬指などを1弦(0弦)に触れておくというスタイルでとりあえず対応している。